10進数の最小ギンガ素数と最大ギンガ素数の和が全ての桁で10となる確率について、
素数定理を用いて具体的に計算してみます。


最小ギンガ素数のA部分から順番に整理します。
最小ギンガ素数ABCD
最大ギンガ素数ABCD
最小ギンガ素数を探す際、最も小さいギンガ数から順番に素数を探索するなら、
A=1の範囲から順番に探すことになります。
A=1であるギンガ素数の範囲は101022020130~191988989179まで。
この範囲内のギンガ数に素数が存在すれば、最小ギンガ素数のAは1で決まります。
素数定理を用いて、この範囲内のギンガ数に素数が含まれる確率を計算してみます。
①範囲内に存在する素数の総数 \(= \frac{191988989179}{\ln191988989179} -\frac{101022020130}{\ln101022020130} \)
②ギンガ数の量\({}_9 \mathrm{ P }_3=504\)
範囲内のギンガ数に素数が1つ以上含まれる確率
\(= 1-(1-\frac{①}{191988989179-101022020130}) ^{②}=0.99999999548\ldots \)
最小ギンガ素数のAは、ほぼ100%の確率でA=1となることが解ります。
最小ギンガ素数ABCD
最大ギンガ素数ABCD
次に、最大ギンガ素数のA部分について確認します。
こちらも最小ギンガ素数と同じ考え方で、最も大きいギンガ数から順番に素数を探索するなら、
A=9の範囲から順番に探すことになります。
A=9であるギンガ素数の範囲は989877878968~909011010920まで。
最小ギンガ素数側と同様に計算すると、
範囲内のギンガ数に素数が1つ以上含まれる確率
\(= 1-(1-\frac{ \frac{989877878968}{\ln989877878968} -\frac{909011010920}{\ln909011010920} }{989877878968-909011010920}) ^{{ }_9 \mathrm{ P }_3} =0.9999999836\ldots \)
最大ギンガ素数のAも、ほぼ100%の確率でA=9となることが解ります。
最小ギンガ素数ABCD
最大ギンガ素数ABCD

Aが1,9の組み合わせであることを前提として、
次はB部分がギンガ素数の条件を満たす確率を計算します。
Bは最下位桁に存在する要素でもあるので、
Bが10の素因数の倍数と一致する範囲では必ず合成数となり、素数が見つかりません。

\(10=2\times5\)なので、Bが2か5の倍数である{0,2,4,5,6,8}のときに、必ず合成数となります。
なので素数は全て最下位桁={1,3,7,9}の範囲内に存在していて、
最小素数の \(B=\{3,7,9\}\) 、最大素数の \(B=\{1,3,7\}\) のいずれかを当てはめることになります。
対象範囲内のギンガ数を一つ取り、それが素数である確率は以下の通りです。
\( \frac{範囲内の素数の総数}{(対象範囲の最大値-最小値)\times(4/10)} \)

最小素数のB
最小素数のBが3となる確率 \( 1-\left( 1-\frac{ \frac{131399393183}{\ln131399393183} -\frac{131300303123}{\ln131300303123} }{(131399393183-131300303123)\times(4/10)} \right) ^{{}_8 \mathrm{ P }_2} \)
最小素数のBが7となる確率 \( (1-Bが3となる確率)\\ \times \left( 1-(1-\frac{ \frac{171799797187}{\ln171799797187} -\frac{171700707127}{\ln171700707127} }{(171799797187-171700707127)\times(4/10)}) ^{{}_8 \mathrm{ P }_2} \right) \)
最小素数のBが9となる確率 \( (1-Bが3または7となる確率)\\ \times \left( 1-(1-\frac{ \frac{191988989179}{\ln191988989179} -\frac{191900909129}{\ln191900909129} }{(191988989179-191900909129)\times(4/10)}) ^{{}_8 \mathrm{ P }_2} \right) \)
最大素数のB
最大素数のBが7となる確率 \( 1-\left(1-\frac{ \frac{979788787967}{\ln979788787967} -\frac{979700707917}{\ln979700707917} }{(979788787967-979700707917)\times(4/10)}\right) ^{{}_8 \mathrm{ P }_2} \)
最大素数のBが3となる確率 \( (1-Bが7となる確率)\\ \times \left( 1-(1-\frac{ \frac{939388383973}{\ln939388383973} -\frac{939300303913}{\ln939300303913} }{(939388383973-939300303913)\times(4/10)}) ^{{}_8 \mathrm{ P }_2} \right) \)
最大素数のBが1となる確率 \( (1-Bが7または3となる確率)\\ \times \left( 1-(1-\frac{ \frac{919188181971}{\ln919188181971} -\frac{919100101921}{\ln919100101921} }{(919188181971-919100101921)\times(4/10)}) ^{{}_8 \mathrm{ P }_2} \right) \)

上記を計算すると、
最小素数のBと最大素数のBがギンガ素数の条件を満たす組み合わせとなる確率は
約99%になります。
最小ギンガ素数ABCD
最大ギンガ素数ABCD
次にC部分について、
Aが1,9の組み合わせかつ、
Bが3,7の組み合わせであることを前提として、
C部分がギンガ素数の条件を満たす確率を計算します。
Bと違い、Cは最下位桁に存在しない数なので、 A,Bで使用していない以下全ての数が当てはまる可能性があります。
最小側\(C=\{0,2,4,5,6,7,8,9\}\)
最大側\(C=\{0,1,2,3,4,5,6,8\}\)
Bと同様に素数定理を用い、
Cに数が当てはまる確率をそれぞれ計算すると
最小側はそれぞれ \(約42\%\times(1-手前の数が当てはまる確率)\)
最大側はそれぞれ \(約39\%\times(1-手前の数が当てはまる確率)\)
よってCに当てはまる数がギンガ素数の条件を満たす確率は以下の通りとなります。
最小側C=0となる確率
(銀河素数の必要条件を満たさない確率)
約42%
①以外かつ
最小側C=2かつ
最大側C=8となる確率
約10%
①②以外かつ
最小側C=4かつ
最大側C=6となる確率
約3%
①~③以外かつ
最小側C=5かつ
最大側C=5となる確率
約1%
①~④以外かつ
最小側C=6かつ
最大側C=4となる確率
ほぼ0
①~⑤以外かつ
最小側C=7かつ
最大側C=3となる確率
ほぼ0
①~⑥以外かつ
最小側C=8かつ
最大側C=2となる確率
ほぼ0
①~⑦以外かつ
最小側C=9かつ
最大側C=1となる確率
ほぼ0

②+③+…+⑧=14%
Cがギンガ素数の条件を満たす確率は約14%となります。
最小ギンガ素数ABCD
最大ギンガ素数ABCD

最後にDについて
Aが1,9の組み合わせかつ、
Bが3,7の組み合わせであり、
Cもギンガ素数の条件を満たす組み合わせであることを前提として、
D部分がギンガ素数の条件を満たす確率を計算します。

Cと同様にDも最下位桁に存在しない数なので、
A,B,Cで使用していない全ての数が当てはまり得ます。
最小側D={0,2,4,5,6,7,8,9}からCで使用した数を抜いた7種類
最大側D={0,1,2,3,4,5,6,8}からCで使用した数を抜いた7種類
このうち、銀河素数の条件を満たす組み合わせは以下7通りのみです。
最小側最大側
28
46
55
64
73
82
91

Cに当てはまる数でこのうちの1組は使用しているので、
Dが銀河素数の条件を満たす組み合わせは全体の内の6通りとなり、
\(\frac{6}{7^2}\)=0.12244=12.244%となります。

結果

上記では省略しましたが、
最小ギンガ素数と最大ギンガ素数のB部分が"7と3"または"9と1"の組み合わせとなった上でギンガ素数の条件を満たす確率も0ではありません。
これらも同様に計算してA,B,C,Dそれぞれの確率を掛け合わせると
結果は約2%になります。
この計算を基数10以外にも用いると以下の通りで、
厳密に計算しても銀河素数の発生は小さい基数の範囲でしか期待出来ない事が解ります。